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プロ棋士とコンピュータ将棋の結果を見て想う

業務とは少し外れますが、昔関わっていたコンピュータ将棋についての話を。

今年、5週にわたってプロ棋士とコンピュータ将棋が5対5の団体戦を行う第2回 将棋電王戦が行われました。

第2回 将棋電王戦
http://ex.nicovideo.jp/denousen2013/

昨日、最終局まで終わりましたが、何とコンピュータ側が3勝1敗1分けで勝ち越し。
第1回も故・米長元名人がボナンザというソフトと対戦して敗れてましたが、元名人とは言え実戦は引退していてブランクが長かったのでしかたがないかなと思ってましたが、今回はバリバリの現役プロ棋士が出場。

しかも、最終戦の三浦八段は直近のA級順位戦(将棋の最高峰のリーグ戦)で羽生善治さんに1勝差で2位になっている超実力者。
ニコニコ動画でずっと見てましたが、特に大きなポカをしたわけではないのに完敗したというのは、かなり衝撃でした。

私も、実は東京農工大学に在学中はコンピュータ将棋の研究をしてまして、テーマはプロ棋士の棋譜データを使って序盤の定跡データベースを作るというものでした。
情報処理学会で発表した論文:棋譜データによる定跡ファイル作成手法
#もはや、自分自身でも何を書いているかわからないです...

今のコンピュータ将棋の強化策としては主流になっているようですが、当時はデータ数もそこまで集めることができず、また評価方法もうまいものを見つけることができなかったので、あまり良い結果は得られなかった記憶があります。

あと、コンピュータ将棋選手権にも研究室として2回参加しました。
第7回 コンピュータ将棋選手権
http://www.computer-shogi.org/wcsc/csc7.html
第8回 コンピュータ将棋選手権
http://www.computer-shogi.org/wcsc/csc8.html
#東京農工大学小谷研のshouchanがそうです。

代々受け継がれたプログラムに研究成果の定跡データベースを組み込んで臨みましたが、素人に毛が生えた程度の自分自身にも負けるくらいで、勝ち星は挙げられたものの、ともに予選敗退でした。
そのころはCPUが200Mでもハイスペックで、たぶん1秒間に1000手読めれば御の字なくらいでしたので、トップのソフトでもアマチュアでうまい人にはかなわないくらいでした。
しかし、今やCPUはギガ単位は当たり前で、しかも三浦八段を破ったGPS将棋は約680台のサーバを使って1秒間に2億手以上を計算していることを考えると、コンピュータの進歩というのは物凄いなと思います。

電王戦は、第3回も行う方向で進んでいるみたいですね。
次はプロ棋士側も、羽生三冠や森内名人、渡辺竜王クラスのタイトルホルダーが出てくるかもしれないので、今から楽しみです。

p.s.
久しぶりにコンピュータ将棋協会のホームページ(リンク)を見ましたが、15年前とデザインがほとんど変わっていないことにびっくりでした。
懐かしい気持ちにはなりましたが、プロ棋士にも勝つくらいになったコンピュータ将棋の元締めのところなので、もう少し手を入れた方がいいのではという気も...

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